股関節専門サロン LE SALON GINZA
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月刊誌『はつらつ元気』11月号掲載記事

股関節痛の90%が治ると理学療法士が推奨するお尻と内股の筋肉ほぐし!

東京銀座 LE SALON GINZA 院長
理学療法士 松本正彦

骨や軟骨が股関節痛の直接の原因ではない

日本では一般的に、変形性股関節症の痛みの原因は変形した骨がこすれて起きる炎症だと考えられています。 股関節の屋根の骨(寛骨臼)のかぶり方が浅かったり、軟骨が磨り減っていることを示すレントゲン写真が診断の主な材料になるからです。

私も大学病院や整形外科に勤めていた頃は、その考え方に疑問をもっていませんでした。 ところが、整骨院での修行時代に、あるおばあさんの症例を目の前にして、これまでの常識がまさにひっくり返ったのです。 この方は股関節痛で歩くのがやっとの状態でしたが、股関節そのものには炎症はありませんでした。 その一方でお尻の筋肉がひどくこっていたので、ひじを強めに押し込んでほぐしてあげました。

ただこれだけのことでおばあさんの股関節痛はその場で軽減。施術後は爽快に歩いて帰られたのです。この経験から私は、変形性股関節症のいたみは股関節周辺の筋肉からくることに思い至りました。

そもそも、骨には軟骨と神経が通っておらず、神経がなければ痛むはずがありません。 事実股関節の変形が相当に進んだ人でもほとんど痛みを感じないケースがままあるものです。

ただ、股関節の変形があると、それを支えるお尻や太ももの筋肉に疲れがたまり、固くこりやすくなる傾向があります。専門的には「筋・筋幕症候群」という、この筋肉のこりこそ股関節痛の正体なのです。

尻の奥の筋肉をほぐせば痛みが消える、歩ける。

股関節痛と筋肉の関係に注目して以来11年、私は筋肉のこりをほぐして痛みをとる療法に専門的に取り組んでいます。股関節痛の90%近くは、この筋肉のこりほぐしで着実に治せると手ごたえを感じています。

ただ股関節そのものが体の奥にあるので、こりが起きるのもほとんどは深層筋という奥にある筋肉です(特にお尻の奥の中殿筋、小殿筋、梨状筋など)。 ですから、指や手でさする・もむなど表面的なマッサージでは十分な効果は望めません。

そこで、私はこりがある筋肉の真上から、深い圧力が入るように親指とひじを垂直に押し込んで垂直に戻す、という施術を中心に行っています。深層筋はもむのではなく、押し込んでほぐすのが、効果的なのです。

施術を繰り返すにつれ、筋肉のこりがほぐれると筋肉内の血流が活性化して、たまっていた痛み物質のセロトニンがすみやかに排出されます。セロトニンは、疲労したときなどに筋肉にたまる乳酸が古くなったもので、これが筋肉の神経を刺激して痛みを生じさせるのです。

こうして筋肉が柔らかく、正常な状態に戻ると、まず疲れがたまりにくくなり、股関節を保護する機能も十分に回復します。 そのため、歩くときに足を前に出しやすくなり、長時間歩いたときの痛みが出なくなります。

同時に股関節の今以上の変形や、軟骨のすり減りも防止できますから、股関節が長持ちするようになります。そうなれば、将来的な手術を回避することも可能でしょう。 手術をすでに受けた人でも、人工関節をよりよい状態に保つために、股関節の筋肉ほぐしは大いに有効です。

股関節の筋肉ほぐしはご自宅で行うことも可能で、それにはいくつかのポイントがあります。こりがほぐれて痛みが出なったら、衰えていた筋力を回復させるために、簡単なトレーニングを行うとよいでしょう。

痛みの根本原因である筋肉のこりを解消すれば、変形性股関節症はむやみに怖がることはない。手術を避けて、自分の足で一生歩くことも可能になるということを、皆さんにぜひお伝えしたいと思います。

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『はつらつ元気』11月号より抜粋